『虹のシルクロード ~ジグザグ冒険記~』
1991年発売/ファミリーコンピュータ/RPG/ビクター音楽産業株式会社
シルクロードを舞台にした、いっぷう変わったRPG。街によってアイテムの売値と買値が大きく異なるのが特徴。いろいろな場面でお金が必要になるが、敵を倒してもお金は手に入らないので商品の交易で稼いでいくことになる。『ドラクエⅣ』のトルネコの章をまるまる1本のRPGにしたらこうなるのだろうか?
「ジャンプ放送局」でおなじみの榎本一夫が手掛けたキャラデザインは温かみがあり、ゲーム中のグラフィックも悪くない。BGMは大物・小林亜星によるもの。スタッフは申し分なく、システム自体もなかなか面白そうなのだが、ゲームバランスはあまりよろしくなく、お金稼ぎも単なる作業になってしまっている。大変に惜しい。傑作になれるポテンシャルは秘めていたと思うが…。
戦闘のダルさは本作の短所の1つ。魔法の要素が無く単調なうえ、倒してもライセンスポイントしか手に入らないので戦闘する意義自体が薄い。「にげる」の成功率は高めだが、エンカウント率自体も高いのでとにかくダルい。
効率だけを考えると、国をまたいで交易するより、同じ国内で地道に売り買いを繰り返すのが最適となる。長旅がハイリスクローリターンになってしまうバランスはもう一考してほしかった。
特産品は1つしか持てないので、はっきり言って他の商品を大量に仕入れた方がよっぽど得。
ビクターおなじみのヒント救済。本作にはヒント券がないので何回でも質問に答えてもらえた(はずである)。