『リング∞(インフィニティ)』
2000年発売/ワンダースワン/アドベンチャー/株式会社角川書店
ジャパニーズホラーの金字塔、『リング』の設定を基にしたオリジナルストーリーのテキストアドベンチャー。ゲーム自体がマイナーなうえ攻略本等が発売されておらず、どう選択肢を選んでも主人公が死ぬエンディングしか用意されていないため、「誰もクリアしたことがないゲーム」「真エンドを見ると死ぬ」という噂すらささやかれていた曰く付きの作品である。モバイル通信で新シナリオなどが読めるサービス「ワンダーゲート」に対応していた点も、サービス終了後のユーザーの混乱を深める要因となった。
作品自体がホラーと化し、噂が伝染する…という意味では原作小説『リング』シリーズの恐怖を体現した逸品と言える(テレビから這い出る貞子のイメージしかない人は、小説『リング』『らせん』『ループ』の三部作をぜひ読んでほしいものだ)。本作のシナリオ自体も悪くはなく、ディープなシリーズファンなら抑えておいて損はない。
通常版のほか、ヘッドホン用アダプタ付きのパッケージが発売されている。初回限定版には「災い除けの守り札」も同梱されていた。
「無事生き残ることができたあなたへ」という文言も混乱の元である。前述のとおり、あなたはどうあがこうが生き残ることはできない。
ワンダーゲートも「モバイルアダプタGB」同様、早すぎたとしか言えない。