『ハードドライビン』
1990年発売/メガドライブ/レース/株式会社テンゲン
アーケードのポリゴン3Dドライブシミュレータを謎の超技術で移植した一品。スーパーファミコンでさえ『スターフォックス』程度のポリゴンを動かすのにはソフトに特殊チップを積む必要があったが、本作は力技のみでポリゴンを再現しており、相当なムチャをしたのは想像に難くない。限界を超えた力と引き換えに支払った代償もまた大きく、段ボール細工レベルのグラフィックに「秒間フレームレート5」というありさまで操作性も全然異なるのだが、それでもアーケード版の雰囲気を再現することには成功している。
業務用筐体はハンドルにクラッチ、イグニッションキーまで再現されており、まさにシミュレーター。さすがに令和の世ではレトロ専門のゲームセンターでも見つけるのが難しくなってしまった。
クラッチ操作が必要なマニュアルだと、当然ながらたたでさえ高い難易度が跳ね上がる。
テンゲンの説明書の中では比較的「遊び」が抑えられているほうだが、そこかしこにゲーム愛の溢れる作り。悪ノリになりかねないところをギリギリで回避している。