『シミュレーションプロ野球』
1995年発売/スーパーファミコン/スポーツ/株式会社ヘクト
アクション性を可能な限り排し、戦略性を突き詰めた野球ゲームで、ヤクルトの古田敦也全面協力のもと制作された。はっきり言ってかなり地味ではあるがマニア需要はあったようで、続編も作られている。ジーコ+サッカー+シミュレーションは惨憺たる結果に終わったが、古田+野球+シミュレーションはなかなか相性がよかったようだ。当時のヤクルトは野村監督時代の「ID野球」理論が花開いた時期でもあり、ID野球の申し子とも言える古田とシミュレーション野球という題材もバッチリだったと言える。
投手が画面の手前側、というアングルはテレビではおなじみのものだが、野球ゲームでは珍しい。アクション性を排したからこそ可能になったアングルとも言える。
インタビューを読む限り、古田はかなり真摯な態度でゲーム製作に協力していたようだ。単なる名義貸しでは終わらせないという気概が感じられる。