『港のトレイジア』
1991年発売/メガドライブ/RPG/株式会社日本テレネット
数少ないメガドライブオリジナルRPGの1つ。王道のファンタジーだが、世界を救う壮大な旅ではなく「冒険を夢見る少年と、故郷で彼を待つ少女」に焦点を当てているのが特徴的。ジュブナイル的なイラストも含めて雰囲気はすばらしく、ストーリーもプレイヤーの期待に応えてくれる展開だ。
世界観は確かに魅力的なのだが、残念ながらRPGとしての出来は非常に悪い。せっかくのストーリーも演出が簡素で盛り上がりにくく、テンポと操作性はフィールド・戦闘ともに快適とは言い難いもので、プレイ意欲がどんどん削がれていく。せめてアドベンチャーで出ていれば評価は変わったかもしれない。
トレイジアは「TREASURE」のもじりと思われる。本当の宝は身近な場所にあった…と。
戦闘はシミュレーション風で、適切な位置に移動してから攻撃する必要がある。たいして戦略性がなく、いちいちカーソルを移動させるのが面倒くさいだけのものになっている。
戦闘中しか使わないアイコンが移動中も常に表示されている。もっとやりかたはあっただろうに。